今週の株式市場見通し3月の株式市場、押し目は格好のエントリーポイントと考える(2011年3月)
日経平均はリビアの混乱拡大や中東の政情不安問題などから、いったん調整場面となった。原油価格の上昇、金融システムへの影響が懸念されたが、日本は世界最高レベルの省エネ技術を持つ国であること、そして日本の金融機関は欧州ほどアフリカや中東との関係が密ではないこと、などを考慮すれば北アフリカや中東の政情不安問題をきっかけに日本株が選好される理由が増えたと捉えることもできよう。過剰流動性相場は続いており、リスク回避の動きは短期間で終了すると考える。
3月の株式市場は、外部環境の影響を受け変動する場面もあろうが、好業績を織り込む展開の継続を想定する。日経平均は10,200〜11,100円前後の値動きとなろう。3月は決算期末にあたることから、国内機関投資家からの売りが出やすい時期と思われる。昨年(10年)の3月末の日経平均は11,089円、同3月の月中平均は10,671円(月末にかけて急騰)であった。需給面から見ると国内機関投資家の決算対策売りに日本株の組み入れを引き上げたい海外投資家が買い向かう形となろう。外部環境の落ち着き、決算対策売りが一巡すると思われる3月中旬以降は高値を窺う展開か。言い換えれば、地政学的なリスク要因等からブレると思われる3月前半の押し目は格好のエントリーポイントと考える。注目セクターとして、中国(3/5から全人代)やアジア新興国の成長や省力化に関連する企業、商品高の恩恵が期待される資源関連、消費者の多様なニーズに対応し拡大を続けるネット通販銘柄、などが挙げられよう。
海外投資家が日本株を買う理由は
海外投資家が継続して日本株を買っている。東証の投資部門別株式売買動向(3市場の1.2部と新興企業向け市場の合計)よると、買い越し期間は10年11月第1週から16週連続となり、「郵政解散」で相場が急騰した05年の26週連続に次ぐ記録となっている。海外投資家の買い意欲の強さが際立っている。
海外投資家を買いに駆り立てる要因は何か。いろいろな理由があると思われるが、企業業績の伸びに比して株価が割安な水準にあると思われる点ではないかと考える。
東洋証券では、東証1部企業の今期(11年3月期)の経常利益は前期比+60%程度と見込んでいる。来期(12年3月期)も15%程度の増益を予想。来期の経常利益は06年3月期や07年3月期と同様のレベルまで回復するだろう。ちなみに、06年から07年末にかけて円はドルに対し110〜120円で推移しており、この点において当時の業績は「追い風」参考とすべき部分もあるだろう。注目すべきは、円が対ドルで80円台前半レベルの「逆風」下にあっても利益を上げることが出来るようになった日本企業の収益力と言えよう。前回の円高局面(史上最高値である79円を付けた95年)に比べて今期の経常利益は約1.8倍となる見通し。海外投資家の買い継続は、日本の競争力が再評価され始めた結果と考える。その他の理由としては、QE2を背景に米株式が上昇→米景気回復の兆し(業績、消費、雇用)→世界経済に連動しやすい景気敏感株としての特性+円高修正の期待、などが挙げられる。また、海外投資家は、新日鉄と住友金属の合併交渉開始を日本企業の新たなグローバル展開のきっかけとして評価し、再編の動きが拡大することを期待しているようだ。日本の底力を見直す場面と思われる。
(2/24記 情報部 大塚)
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海外投資家が継続して日本株を買っている。東証の投資部門別株式売買動向(3市場の1.2部と新興企業向け市場の合計)よると、買い越し期間は10年11月第1週から16週連続となり、「郵政解散」で相場が急騰した05年の26週連続に次ぐ記録となっている。海外投資家の買い意欲の強さが際立っている。
海外投資家を買いに駆り立てる要因は何か。いろいろな理由があると思われるが、企業業績の伸びに比して株価が割安な水準にあると思われる点ではないかと考える。
東洋証券では、東証1部企業の今期(11年3月期)の経常利益は前期比+60%程度と見込んでいる。来期(12年3月期)も15%程度の増益を予想。来期の経常利益は06年3月期や07年3月期と同様のレベルまで回復するだろう。ちなみに、06年から07年末にかけて円はドルに対し110〜120円で推移しており、この点において当時の業績は「追い風」参考とすべき部分もあるだろう。注目すべきは、円が対ドルで80円台前半レベルの「逆風」下にあっても利益を上げることが出来るようになった日本企業の収益力と言えよう。前回の円高局面(史上最高値である79円を付けた95年)に比べて今期の経常利益は約1.8倍となる見通し。海外投資家の買い継続は、日本の競争力が再評価され始めた結果と考える。その他の理由としては、QE2を背景に米株式が上昇→米景気回復の兆し(業績、消費、雇用)→世界経済に連動しやすい景気敏感株としての特性+円高修正の期待、などが挙げられる。また、海外投資家は、新日鉄と住友金属の合併交渉開始を日本企業の新たなグローバル展開のきっかけとして評価し、再編の動きが拡大することを期待しているようだ。日本の底力を見直す場面と思われる。
(2/24記 情報部 大塚)
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