今週の香港市場は中国の2月経済統計睨みの展開が予想される。具体的には10日に消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)、11日には鉱工業生産や小売売上高、1~2月固定資産投資などが発表予定。間もなく2月の金融統計も発表される見込み。全人代が開催中のため、その内容に神経質にならざるを得ない。8日に発表された中国の2月貿易統計では輸入の落ち込みが目立ったため、今後の中国経済に対する不透明感を誘いそうだ。もっとも、ハンセン指数は直近の安値圏での推移となっているため、突っ込み警戒感も意識されそうで、反発のきっかけを探る動きとなるだろう。中国のCPI次第では追加金融緩和への期待が濃厚となるか。足元で「深港通」開始に向けた報道が相次いでいることから、深セン関連の中小型株へ市場参加者の関心が向かうか。
今週の中国市場で上海総合指数は心理的節目3,200ptを挟んでの値動きか。指数が再び年初からのレンジ相場の下限3,100pt 割れに向けて調整するのか、或いは反転するのかを見極める展開といえよう。全人代の内容を見極める動きから、極端なポジションを傾けにくい。10日発表予定の2月CPIが落ち込んだ場合、デフレ回避に向けた政策期待が盛り上がる可能性が高い。
(檜和田)
ミクロ面では企業決算とIPOに注目
今週は9日に舜宇光学科技(02382)、10日に361度(01361)などが決算発表予定だ。中小型株の決算が相次ぐため業績を見据えての個別物色の展開が予想される。IPOが11~12日に相次ぐため、初値形成後の値動きに注目が集まるだろう。
(檜和田)