今週の香港市場は海外株式市場の落ち着きを受けて戻りを試す展開を予想。先週は日本の巨大地震や原発事故の被害拡大など、突発的な事象が世界経済に与える影響が懸念され、香港株式市場も大幅に下落。しかし、原発の事故処理が進展していることから不安心理は徐々に後退。主要株式市場では買戻しが優勢となり、21日の香港市場は大幅に続伸となった。先週末に発表された中国の預金準備率引き上げも悪材料視されなかったようだ。
中国人民銀行(中央銀行)は18日夜、今年に入って3度目となる預金準備率引き上げ(0.5%引き上げ、今月25日付けで実施)を発表した。今回の措置は「ホットマネー流入措置」とされているが、週明け21日の香港市場ではこれを嫌気した売りは限られた。市場参加者の意表を突いた発表だったが、市場でくすぶっていた利上げ懸念の後退につながった公算も大きいと考える。昨日の香港市場の動向をこれまでの金融引き締め時と比較すると、徐々にではあるが引き締めと株高が共存する素地が整いつつあると言えよう。セクター別では、国家発展改革委員会による消費喚起を通じた内需拡大方針発表を受け消費関連に注目している。
今週の中国株市場はじり高か。上海総合指数は2,900ptを下値として自律反発が予想される。預金準備率引き上げによる目先の悪材料出尽くし感から買い戻しが優勢となりそうだ。足元の人民元高からも、リスクマネー流入が予想される。
(檜和田)