本日の香港市場は方向感の定まらない値動きか。ハンセン指数は昨日の終値付近での一進一退を予想する。昨日の米国株は利益確定売りが優勢となり小幅反落。香港市場もこの流れを引き継ぐだろう。もっとも、株式や商品といったリスク商品に投資資金が回帰しつつある状況を考慮すると、調整場面では押し目買いも期待されるため下値は限られよう。東日本大震災や福島原発の事故を巡る懸念は後退する反面、市場の関心は再びリビア情勢に代表される中東・北アフリカ情勢に向かいつつある。
ハンセン指数は、先週の大幅下落を受けた値ごろ感から買い戻され、昨日まで3営業日続伸。ただ、節目の23,000ptを目前に上値の重さも意識されており、本日も同様の展開になりそう。引き続き市場の関心は好決算銘柄に向かうか。航空や金融、不動産、通信、小売など元高恩恵セクターにも注目。昨日は人民元が05年7月の切り上げ以降の最高値を更新、1米ドル=6.55元台に乗せた。緩やかな元高はインフレ抑制にもつながりポジティブだ。
本日の中国市場は神経質な値動きか。上海総合指数は2,900ptを下値として意識した値動きと思われる。もっとも、政府高官による個人所得税の課税下限引き上げの可能性を示唆する発言や、中国証券監督管理委員会がハイテク企業による店頭市場「新三板」の導入対象企業を拡大する方針を提示などのポジティブなニュースを念頭に置くと、下値は限られるのではないか。
(檜和田)