本日の香港株式相場は反落か。福島原発事故の行方を見極めながらの展開となろう。昨日のNYダウは大幅に3日続落。米住宅指標の落ち込みに加え、欧州連合(EU)欧州委員会のエッティンガー委員による原発事故「制御不能」発言が嫌気された。香港市場でも投資家のリスク回避姿勢が強まり、主力株を中心に換金売りが予想される。寄り付きは米株安と円高を背景とした日本株の反落に連動しそう。ただ、徐々に落ち着きを取り戻し、好業績株や政策関連株を中心とした見直し買いが入り、下値を支えよう。
昨日は、引け後に決算発表を控えたテンセント(00700)や四環医薬(00460)が上昇。15日に好決算と同時に10割無償(予定)を発表した山東威高集団(01066)なども買われた。本日も華潤電力(00836)、アリババ(01688)などが決算発表を予定。
今週に入り、主要株式市場に加え、原油や金などに代表される商品先物相場も調整色が強まっている。福島原発事故の被害拡大懸念は、これまで跳梁していたヘッジファンドなど投機筋のポジションにも相当程度の影響を与えているようだ。この波乱場面は事態の収束を見越した冷静な対処が求められるところであろう。
上海総合指数は小じっかりか。日本の震災が中国経済に与える影響から、金融引き締め先送り観測も台頭している。香港市場と同様に一時的には神経質な値動きも予想されるが、代替エネルギーなどの政策関連銘柄を中心に強含む展開を想定。
(檜和田)