本日の香港市場はザラ場軟調も引けにかけて反発か。寄り付きはリスク回避の動きから換金売りが予想され る。ADRの下落と、福島の原発事故の被害拡大懸念が見送り材料になる。ただ、昨晩の米株相場でNYダウは続落したものの引けにかけて下げ幅を縮小したた め、売り飽き気分も意識される場面か。香港でも売り一巡後は値ごろ感からの買い戻しも予想され、値を戻す場面も想定されよう。また、リスク資産の動向を計 るうえで、香港市場より一足先に取引が開始される日本株の値動きを注視したい。
昨日、ハンセン指数は大幅反落し、終値は前日比 −667ptの22,678pt。指数構成45銘柄が全面安となった。一時、22,253ptまで売り込まれ、10年4月の戻り高値 22,208pt(4/9終値)に肉薄。ドバイショックで値を崩した09年11月末以来の下げ幅を記録した。本日も序盤は売り優勢の展開が予想されるが、 前述の22,208ptを下値として意識した動きとなろう。ミクロ要因では、本日も主要企業の決算発表が相次ぐため企業業績が投資の尺度となりそうだ。 10年12月期決算で龍源電力(00916)が125.8%増益、長城汽車(02333)が163.9%増益だったと昨日引け後に発表した。
上海総合指数は昨日終値2,896ptを跨いでの値動きか。昨日は東日本巨大地震の被害拡大懸念と利上げ観測の台頭が見送り要因として意識され、一時2,850ptまで下落も、終盤に向けて買い戻された。本日は方向感を探る値動きとなりそう。
(檜和田)