今週の中国株市場は方向感の定まらない展開か。先週同様、米国相場や原油価格をにらんだ神経質な値動きとなろう。11日に予定される中国の2月CPIや小売売上高、固定資産投資など主要指標の発表を前に見送り気分が強まる可能性も考えられる。もっとも、香港では上場企業の10年12月期決算発表が本格化するなか、滑り出しは好調なもよう。好業績期待が相場を下支えしそうだ。
中国では5日から全人代が開幕。中国政府は第12次5カ年計画の中でGDP成長目標を7%とし、前計画の7.5%より低く設定したが、質を重視する経済政策を鑑みれば整合性もあろう。むしろ、都市住民と農村住民1人あたりの純収入の年平均成長率をGDP目標と同水準である7%以上に設定したことをポジティブに評価したい。所得増と個人消費の拡大につながりそうだ。また、「戦略的新興産業」に指定された7分野のGDPに占める割合を現在の約3%から8%に引き上げるとされたが、新エネルギー、ハイエンド製造設備、新エネルギー車など関連企業の株価動向を注視したい。
先週のハンセン指数は直近戻り高値である2/18終値23,595pt超えに王手をかけた。今週は心理的な節目23,000pt処を下値として戻り高値更新を意識した値動きか。
中国市場は週末の経済指標発表を控えて金融引き締めが意識されそう。上海総合は2,900pt台の値動きを想定。
(檜和田)