今週は香港、中国市場ともに戻りを試す展開か。ハンセン指数は23,000pt台で上値を窺う値動きになろう。
中国人民銀行(中央銀行)は10日夜、物価押し上げ要因となっている過剰流動性を吸収する狙いで預金準備率の引き上げを発表。ただ、引き締め警戒感から投資家の持ち高調整が進んでおり、市場では織り込み済みと受け止められよう。また、11日発表の11月各種経済指標で引き続き中国経済の力強い成長が確認できたことから買い安心感が広がりそう。鉱工業生産と都市部固定資産投資は市場予想を上回る伸び。好調な小売売上高は中国経済が緩やかに消費主導型経済にシフトしていることを示した。
反面、11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比5.1%と2年4カ月ぶりの高水準で、利上げの可能性は依然として高い。ただ、中国国家発展改革委員会は12月は5%以下に低下するとの見通しを示した。12日に終了した中央経済工作会議では従来の方針通り、「穏健な」金融政策と「積極的な」財政政策を追求することを確認した。教育と社会福祉、医療、住宅、雇用創出の政策に重点を置くとしており、政策関連銘柄に注目が集まる。
(星)