香港市場
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- 1月は中国GDPの予想上ブレやECBの量的金融緩和を好感。ハンセン指数は14年9月以来の水準回復
- 2月相場は波乱含みの展開か。ハンセン指数は24,200~25,500pt前後での推移を想定
- ギリシャ問題の行方に注意しながら、押し目は買いで臨む局面と捉えたい
1月下旬にハンセン指数は14年11月に付けた戻り高値24,313pt(11/17)を上回り、同年9月以来約4カ月半ぶりの水準を回復した。中国企業で構成されるH株指数は5日に一時12,400pt台を回復し、11年8月上旬以来約3年5カ月ぶりの水準に迫った。
WTI原油先物相場の安値更新やギリシャの政情不安再燃がリスク回避姿勢を招き、売りに押される場面もあった。中国証券当局が信用取引に絡んで証券大手に対して下した処分を悪材料視する動きも見られた。しかし、中国の14年10~12月期GDP(国内総生産)が市場予想を上回ったことなどが買い安心感を誘ったほか、欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和決定も好材料視された。
もっとも、下旬にかけての上昇ピッチの速さが警戒され、ハンセン指数は心理的節目25,000ptに近づくにつれて利益確定売りに押される展開に。
2月は波乱含みの展開が予想される。ハンセン指数は24,200~25,500pt前後での推移を想定している。下値目処の24,200pt処は14年11月から15年1月15日に付けた戻り高値水準だ。ギリシャ問題の行方次第では短期筋の売り材料にされる公算も大きいため、注意を払いたい。下旬にかけては春節(旧正月)で中国市場が休場となるため、様子見を決め込む投資家も多そうだ。
もっとも、前述ギリシャ問題は同国内の財政事情などを冷静に考えると最悪の事態は避けられると見たほうが良いだろう。相場の下押しがあった場合は静かに押し目を拾いたい。3月開催予定の全人代を控えて、月末は政策期待が高まるだろう。株式市場の活況で収益拡大が見込まれる保険など金融株に注目か。2月19~20日は春節で香港市場は休場。
(1/27記:檜和田)
ハンセン指数
(出所:QUICK)
中国市場
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- 1月の上海総合指数は3,400pt処で上値を抑えられた格好。一方、深セン主要株価指数は好調だった
- 2月は直近の戻り高値圏でもみ合い商状か。上海総合指数は3,100~3,500pt前後で推移しよう
- 上海総合指数が3,400ptを上抜けた場合、上昇相場に乗り遅れまいとする個人投資家の買いが期待される
1月の中国市場で上海総合指数は心理的節目3,400pt処で上値が抑えられた格好だ。指数がリーマン・ショック後の高値である09年8月以来5年5カ月ぶりの水準に迫ったことで、利益確定売りが上値を抑えた。一方、深セン市場では深セン総合指数が08年1月高値1,576ptに迫り、創業板指数は1月相場で鋭角的な上昇を見せ、過去最高値を更新した。
年初に李克強首相が「深港通(深センと香港の株式取引の相互乗り入れ)」に言及したことが刺激材料になった。インフラ投資計画認可が相次いだことや市場予想を上回る経済統計が目立ったことが好材料視された。
14年末に中国南車(601766)と中国北車(601299)が合併案を発表。取引再開後、両社の株価が急騰した。一方、証券大手各社は中国証券当局による処分が重荷となり株価は失速した。
2月は直近の戻り高値圏でもみ合い商状か。上海総合指数は3,100~3,500pt前後での推移を想定。同指数は1月に抜けきれなかった3,400pt台乗せを終値で実現できるかが焦点だ。2月は鉱工業生産や固定資産投資など、1月経済統計の一部が発表されないため、マクロ面では手掛かり材料に乏しくなる。したがって、企業業績や投資家心理などが相場の方向性を左右するだろう。
春節に向けて見送り気分も強まりそうだ。2月18~24日は中国市場が休場となるため、換金売りが目立ちそうだ。ただ、上海総合指数が3,400ptを上抜けて高値を更新した場合、相場の先高観が醸成される可能性が高い。上昇相場に乗り遅れまいとする個人投資家が資金を投入しそうで、一時的な上ブレが期待される。
(1/27記 檜和田)
上海総合指数
(出所:QUICK)