ラッセル2000が高値を抜き、物色対象が広がった模様
11/15~11/19の米国株式市場はじり高の展開か。小型株の代表的指数ラッセル2000が年初来高値を抜いており、小型株にも買いの裾野が広まっている模様。
11/3、FRBが11月半ばからのテーパリング開始を発表。米国債買入額は毎月100億ドル、エージェンシーMBSは毎月50億ドルのペースで買入額が縮小され、来年半ばには資産規模拡大は終了する見通し。11/5発表の10月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が53.1万人増、前回、前々回分もそれぞれ31.2万人増、48.3万人増と上方修正され、テーパリング開始を正当化する内容になったと考えられる。
テーパリング発表後、米長期金利は低下する場面もあったが、これは10月後半に投機筋が10年債先物の売りポジションを急速に積み上げてきた反動と考えられる。売りポジションの巻き戻し(ショートスクイズ)終了後、金利上昇の可能性があると予想。もっとも①年末株高の経験則、②資産規模拡大自体は来年半ばまで続くこと、③雇用の改善傾向を踏まえれば、株式市場の本格調整に繋がる可能性は低いだろう。
半導体関連のエヌビディア(NVDA、11/17予定)やウォルマート(WMT、11/16予定)等の小売企業の決算発表が予定されており、供給不足問題の状況に関するコメント等が注目されそうだ。エヌビディアの株価はショートスクイズ気味の急騰の動きになっており、決算発表後の動きには注意が必要か。
(11/10記 投資調査部 藤本)