じり高の展開を想定。ポジション調整には注意
11/8~11/12の米国株式市場はじり高の展開か。
米企業決算は概ね好調で決算発表を終えた280社の82.1%の企業がコンセンサスの利益予想を上回る決算を発表(リフィニティブ集計、11/1時点)。相場の押し上げ材料となりそうだ。ただ時価総額の大きなアマゾン(AMZN)やアップル(AAPL)の決算が振るわず、指数の上値抑制要因になる可能性があることには留意したい。また主要決算が概ね通過したことから投資家のポジション調整等で値動きが不安定になる銘柄もありそうだ。
米国の3QのGDP(前期比年率)は2.0%の成長で市場予想の2.6%を下回った。供給網に問題のある自動車・部品が2.39%pt押し下げたことが要因と考える。ただ米国景気後退の可能性は低いと考える。受注残高が先行して減少した2016年の自動車出荷額減と異なり、今回は受注残高が増加傾向で新規受注も安定。需要の後ずれ部分が大きいと考える。
またNRF(全米小売業協会)は年末商戦の売上高予想を前年比8.5~10.5%増と強気な予想。個人消費の押上げが期待され、年末から来年に向けGDP持ち直しが期待される状況と考える。また懸念される供給問題もベトナムやマレーシアの10月の製造業PMIがそれぞれ52.1と52.2まで回復し、バルチック海運指数も大きく低下した。供給問題には一部で改善の兆しが見られる。
(11/2記 投資調査部 藤本)