11月テーパリング開始が予想され上値が重い展開か
10/18~10/22の米国株式市場は金融引締め懸念から上値の重い展開を想定するも、個別物色の様相も強まりそうだ。
10/8に雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数は市場予想を下回る19.4万人増に留まった。失業率はFRBの年末の想定水準と同じ4.8%まで低下した。若干物足りない印象はあるが、その後行われたクラリダ副議長のテーパリング開始の条件は「ほぼ満たされた」との発言を踏まえれば、11月テーパリング開始はほぼ確実と予想され上値を抑制か。
また決算発表も本格化し、「イカゲーム」の世界的ヒットが追い風と予想されるネットフリックス(10/19予定)や半導体不足を競合より上手く立ち回っていると評価されるテスラ(10/20予定)といった企業の決算も予定される。これらの銘柄は好業績を織り込みに行くような値動きとなっている。
一方デルタ株の感染拡大やサプライチェーン混乱、それによるホリデーシーズンや年末商戦への影響を懸念する向きがあり、一部銘柄はそれを織り込みに行く様な値動きとなっている。ただクリスマス製品の製造拠点、中国の義烏の「義烏指数」は出荷増、輸出向け価格低下を示唆。重要な生産拠点の東南アジアのPMIも一部持ち直しの兆しが出ている。半導体関連や航空関連、アパレル大手等も決算発表が予定され、影響度合いが注目されそうだ。
(10/13記 投資調査部 藤本)