バイデン政権の財政政策がより重要な要素に
9/7~9/10の米国株式市場はじり高を見込むが、SaaS系企業の決算発表が一巡する予定の週末は利食い売りに注意が必要か。ジャクソンホール会合の内容は概ね織り込み済みか。
ジャクソンホール会合のパウエル議長の発言内容は、これまでの連銀総裁達の発言を踏まえれば想定より若干ハト派な内容だったと考える。資産買入縮小は年内としたものの、利上げのタイミングと結びつかないように注意を払っていた。また物価上昇は一過性で、雇用に改善余地があるとの見方を概ね維持したようだ。
前回の出口戦略の相場への影響を見ると資産買入額減少直後から相場が不安定化したわけではなく、FRBの資産買入が止まると相場も横ばいになり、利上げ開始前後や資産規模縮小時などに相場が不安定化する傾向が見られた。出口戦略期間中も2017年にトランプ前大統領の減税策への期待から強気相場が示現するなど、財政政策である程度相殺される場面も見られた。今後はバイデン政権の財政政策がより重要な要素になりそうだ。
9/9のゼットスケーラーの決算をもってSaaS系企業の決算は概ね一巡する予定。パロアルトネットワークスの決算を受けサイバーセキュリティ企業を物色する動きがあるが利益確定売りには注意が必要か。
(9/2記 投資調査部 藤本)