デルタ株からのロックダウンの可能性は低いと見る
8/9~8/13の米国株式市場は、デルタ株への懸念が残るものの、経済活動再開の方向は維持されると見ており、比較的確りとした展開を想定する。
8/11にCPIの発表が予定。市場予想は前月比で0.5%上昇に減速、前年比でも5.3%上昇と前月と同水準に留まることが予想されている。6月分のPCEデフレーターも頭打ちした感があるため、大きく予想値を上回らない限り影響は限定的と見る。パウエル議長の再任の可否は9月まで確定しないことや追加失業給付終了後に労働市場復帰者が速やかに就業できるかなど、労働市場には不透明要因がある。月末にジャクソンホールの講演会を控えているものの、労働市場の状況を見極める必要があるため、株式市場への影響は限定的か。
リスク要因はデルタ株の拡大か。6月以降、経済再開の恩恵を受けると考えられる旅客航空輸送業やホテル・リゾート・クルーズ船、エネルギー株等が調整。ただ、英国のデータから死亡率も限定的で、サキ報道官やCDCのファウチ所長もロックダウンには否定的な見解で経済活動再開の方向は変わらないだろう。ISM非製造業指数が7月として過去最高を記録したことから、経済活動再開関連株が再度戻りを試す可能性もあり期待したい。
(8/5記 投資調査部 藤本)