神経質な展開続くか
3/2-3/6の米国株式市場は、神経質な展開を想定。引き続きアップルのような業績予測引き下げリスクは残る。ダウ平均は年初来で最安値圏にあり、需給面から見て上値は重たいものと思われる。重要な経済指標の発表が多く予定されており、新型肺炎の米国経済への影響が限定的であることが示されれば、押し目買いが入る可能性もありそうだ。
値動きの荒い展開続くか
ダウ平均は2/24に1031.61ドル安、2/25に879.44ドル安、2/27に1190.95ドル安と急落し、新型肺炎による経済への影響を急速に織り込みつつあるように思われる。アジアから遠く離れたイタリアでの感染拡大やCDC(米疾病管理予防センター)が米国での感染拡大は時間の問題との見方を示したことで、警戒感が一気に高まったものと思われる。
アップル(AAPL)の業績予測引き下げ後もプロクター&ギャンブル(PG)やコカ・コーラ(KO)、マイクロソフト(MSFT)など足元の四半期の業績予測を見直す企業が相次いでいる。他にも業績予測見直しに動く企業がでる可能性はあるだろう。
S&P500やダウ平均は急落前の年初来安値を割り込むほど売り込まれており、しこり玉がそれなりにあると推測される。戻り局面では上値が重くなる可能性もありそうだ。
また予想変動率を示すVIX指数が急騰。ボラティリティの上昇により一部の投資家はリスク管理の観点からポジション圧縮を余儀なくされていると推測される。オプションのヘッジに絡んだ売買も加わると推測され、値動きの荒い展開が続きそうだ。
経済指標・スーパーチューズデーに注目
3/2にISM製造業景況指数、3/4にISM非製造業景況指数、3/6に雇用統計の発表が予定されている。また政治面でもスーパーチューズデー(3/3)が予定されている。先に発表された2月のPMI(速報値)が予想を下回っているため、警戒は必要だが、影響が限定的であることが示されれば、打診買いも期待できそうだ。民主党のスーパーチューズデーでは代議員の約1/3が決まることになる。リアルクリアポリティクスの集計では全国の支持率でもサンダース氏がトップになった。結果次第ではサンダース大統領候補が誕生する可能性が一気に高まりそうだ。ヘルスケア関連にはリスク要因となりそうだ。
(2/28朝記マーケット支援部 藤本)