業績の回復を織り込む展開か
11/4-11/8の米国株式市場は、決算が当初の想定よりは良いものであることや、米中関係が改善に向かいつつあることなどから、引き続き上値余地を探る展開を想定。
決算発表の結果は当初の予定を上回る内容で推移していると見ている。Refinitivの集計によると10/30時点でS&P500の構成銘柄の内278社が決算発表を終え、内74%の企業がEPSベースで市場予想を上回る内容を発表している。3Qの決算の予想と実績を混合した増益率も決算発表が本格化する前の10/14と比較し改善しており、まずまずの内容かと思われる。
S&P500は史上最高値圏で推移しており、予想PERなどを理由に割高感を指摘する声もあるが、米中協議が報道通りの進捗をしているのであれば、この3Qが業績のボトムになる可能性もあり、今後の業績回復や見通しの引き上げを先取りして株価が織り込みに行く展開に違和感はないように思われる。実際、製造業の一部の指標にも底打ちの兆し見られる。米PMI製造業は8月を底に回復の兆しが出てきていると思われ、10月の結果は51.5(速報値)となっている。今後の業績の回復に期待したい。
決算はじめイベント多い
引き続き決算発表が重要イベント。この他にも投資家向けのイベントも予定されており、関連銘柄に動意がありそうだ。
決算発表ではディズニー(DIS)が11/7に決算発表予定。同社は11/12に動画配信サービス「Disney+」を米国等で開始する予定。動画配信サービスを巡っては、10/29にAT&Tが新サービス「HBOマックス」の料金プランを発表し、さらにアップルが11/1に「アップルTV+」を開始する予定。競争激化の兆しが高まっており、決算説明会での発言が注目されそうだ。
この他にもアドビの投資家の日が11/4に予定されており、クラウド関連にも動きがありそうだ。今年は同イベントに対する期待感があまり高くなく、売りに押され気味だが、例年、アドビは市場と業績への強気な見通しを発表し、株価が大幅に上昇している模様。動向に注目したい。
(10/31記 マーケット支援部 藤本)