上値余地を探る展開か
11/11-11/15の米国株式市場は、引き続き良好な地合いを想定するが、セクター間の銘柄の入れ替えに注意したい。
足もとの米国株式市場は、市場予想を上回る決算発表が多いことや、米中貿易摩擦に対する楽観論を受け、史上最高値圏での取引が続いている。
Refinitivの集計(11/6時点まで)で、402社が決算発表を終え、EPSベースでは75%が予想を上回る内容の決算を発表している。半導体関連の一部などの決算発表が残るものの、これまでの決算内容は概ね市場の予想を上回るものとなっている。
これらの内容を受け、概して株価は堅調に推移している。セクター別にみると、年初来から今回の決算発表が本格化する前までの時点であまり物色されておらず、かつ決算内容が市場予想をしっかりと上回ってきたセクターが選好されているようだ。
10月のETFの資金フローを振り返っても、金融などへ資金が流入し、ヘルスケアも流出幅が縮小してきている。
公益株や生活必需品といったディフェンシブセクターが今回の決算発表本格化以降に出遅れが目立つ一方で、景気敏感株の資本財、情報技術、金融などが選好されており、投資家のリスク許容度は回復しつつあるように思われる。
半導体関連の好調な動きが続くか
11/12にスカイワークスソリューションズ(SWKS)、11/14にアプライドマテリアルズ(AMAT)、エヌビディア(NVDA)などの決算発表が予定されている。
半導体関連の決算では、インテル(INTC)、ラムリサーチ(LRCX)の好決算などを受けた楽観ムードが継続できるか注目したい。フィラデルフィア半導体株指数は昨年末以来約48%上昇しており(11/6時点)、SIA世界半導体売上高の3カ月移動平均の大幅な回復を先行して織り込もうとしている印象もある。決算内容を注視したい。
(11/7記 マーケット支援部 藤本)