米中の対立が深まる
8/12-8/16の米国株式市場は中国への制裁関税引上げによる景気減速懸念が売り圧力となろう。売りが一巡したとは言えないが、市場は徐々に下振れリスクを織り込むと思われ、好業績銘柄の個別銘柄物色を想定したい。
3000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を課すと発表したことで、中国政府は1ドル=7元を超える人民元安を容認し、米トランプ政権は中国を1994年以来の為替操作国と認定した。
中国との対立は一気にエスカレートした感があるが、9月にワシントンで開かれる予定の米中閣僚級貿易協議が予定通り開催されるかに注目が集まろう。
実際、9月に関税を引き上げれば米国のクリスマス商戦に向け消費者マインドの低下は避けられず、来年、再選がかかるトランプ大統領自身への打撃が大きくなるとの指摘もあるようだ。その場合、今後市場は関税発動の影響を織り込みに行く展開となろう。
8月は出来高が減少傾向にある
米S&P500指数のオプション取引のボラティリティを基に算出されるVIX指数は8/5に20を超え市場の不安心理が高まった。
8月は夏休みシーズンで市場参加者が減り、出来高が細りがちなため価格変動が増幅される傾向がある。注意を払いつつ、リターン・リバーサル(逆張り)で臨みたい。
好業績銘柄の個別銘柄物色
調査会社Refinitivの集計(8/6現在)ではS&P500指数採用企業の413社が決算発表を終え、ネガティブな事前予想が比較的多かった19年第2四半期(4-6月期)の決算は、74%の企業で利益が事前予想を上回る内容となった。
今後、決算発表一巡後の市場が軟調な場面では、先回りを考え、第3四半期(7-9月期)決算が良好と考えられる企業に注目したい。銘柄選別としては、更にAzureのニーズの増加が見込まれるマイクロソフト(MSFT)や消費者ニーズをつかんだ店舗拡大を図るスターバックス(SBUX)を参考にしたい。
(8/8記 マーケット支援部 佐藤)