イベント通過後の押目は買いか
8/5-8/9の米国株式市場は短期的な売りを吸収する週となろう。ただ、下値は積極的に拾いたい。
FOMCというイベント通過後、米大統領は対中追加関税第4弾を発表(9/1発動)した。7月のFOMCでFRBが米中通商政策や世界経済の成長を巡る不透明感、物価の停滞、さらに設備投資の減速などを引き合いに出し、0.25%の利下げを決め、保有資産の縮小も2カ月前倒しで終了すると発表した。しかし、FRBは対中追加関税発動が経済に及ぼすマイナスの影響を相殺するため、次回9月のFOMCで追加利下げを決定する公算が出始めた。
利下げは米国経済の直接的な効果よりも高金利政策を実施している国が多い新興国の下支え効果の方が大きいと考える。その結果として新興国からの資本流出が抑えられれば、各国中央銀行は金融政策の自由度が増すであろう。
7月も新興国で利下げが相次いでいる。世界的な緩和の方向性はグローバル経済の回
復につながり、それを巡って最終的には米国経済の下支えとなるだろう。よって米国の経済活動の拡大が継続すれば、米企業の業績にも寄与すると考える。
慎重な決算予想を上回る決算が散見
7/30現在、米S&P500指数採用企業の約52%が決算発表を終えた。調査会社Refinitivの集計によると、19年第2四半期(4-6月期)全体の収益は3.6%増、利益は0.9%増と予想している。
同集計によると、その中で「コミュニケーションサービス」が18.1%増と2桁増益が予定されている。アルファベット(GOOGL)やツイッター(TWTR)などは市場の期待を上回る決算内容が示され、株価が急騰。一方、米中貿易問題が業績の足枷になっている半導体や通信などの電子部品は19年第3四半期(7-9月期)まで減益が続く見込み。しかし、第4四半期(10-12月期)には業績の回復が見込まれているようだ。今後は、期待値が低かった分だけ決算内容がポジティブサプライズとなる可能性が高いため、引き続きその動向に注目したい。
(8/2朝記 マーケット支援部 佐藤)