金融緩和方向に転換へ
7/15-7/19の米国株式市場は主要3指数の過去最高値更新を受けて上昇トレンド回帰への期待が高まろう。
パウエルFRB議長は7/10に下院で議会証言を行い、通商政策をめぐる動向に不透明性が増し企業などから貿易をめぐる懸念が高まっている。企業の設備投資も最近の数カ月で鈍化したもよう。米国景気拡大に対処するため必要に応じて行動すると述べた。市場では金融緩和の正当性を示唆する内容との声が聞かれ、7月のFOMCで利下げの確度が高まった。
米国のみならず世界の主要中央銀行は金融緩和方向へ転換している。当面、低金利環境が続くと予想され、今後の株式市場にとってもフォローと考えられよう。
決算発表から読み取る制裁関税の影響
5/10から中国製品に適用される2000億ドルの品目について、関税が10%から25%に引き上げられた。それ以降に輸出された製品には25%の関税がかかり、今後、企業全体の状況が徐々に明らかになる。
同日に中国から輸出された製品は空輸と船便とでは米国への到着日が違ってくるため、関税回収に時間差が生じてくる。
これから本格化する2019年4-6月期決算発表では、輸入企業の業績への影響を確かめながら、相場に織り込んでいく動きになるであろう。
好業績銘柄やテーマを選別
来週から主な企業の2019年4-6月期決算発表が始まる。7/16にJPモルガンチェース(JPM)、7/17にアイビーエム(IBM)、ネットフリックス(NFLX)などが決算予定。
S&P500の2017年4-6月期実績EPSは前年同期比12.3%増、18年4-6月期は同24.9%増の伸びを示している。19年の予想EPSでは(7/10現在、予想は Refinitiv)0.2%減と減税の効果の削減に加え、貿易関税の影響が窺える。好決算を発表した企業と貿易関税の影響を受けにくいイノベーション企業に目を向けていきたい。テーマ別では、ビジネスインテリジェンスなど、今後、市場拡大が見込め商機の裾野の広かりが予想される銘柄群から参考にしたい。
(7/11記 マーケット支援部 佐藤)