FRBの金融政策を占う展開に
7/8-7/12の米国株式市場はS&P 500種とNYダウの過去最高値更新を受けて上昇トレンド回帰への期待が高まるか。
米国を中心とする保護主義的な動きを受けて、企業のセンチメントの悪化が懸念されている。景気減速は避けられないとの意見も多い中、足元の株価上昇から市場では新たな投資機会を探るという姿勢も見え始めている。
今後の市場参加者の関心はFRBの金融政策と企業業績へ向かおう。
7/10、パウエルFRB議長は半期に1度の議会証言を行う。同日公表のFOMC議事要旨(6/18-19開催分)ではFRBの経済情勢判断や予測、そしてメンバーの議論内容など今後の金融政策が明らかになる。足元の物価状況や消費動向に鑑みると、極端な物価上昇リスクは低いと考える。よって市場参加者の間では、早ければ7月末のFOMCで予防的な利下げが行われるとの見方が強い。
議会証言が利下げ観測に水を差す内容とならない限り相場への影響は限られよう。
好業績セクターに注目
米国の景気拡大が7月に11年目に入り、今まで最長であった1990年代の10年間を抜いたことはポジティブ材料と受け取れる。今後の注目点は、7月中旬から始まる第2四半期の決算と下期見通しの発表と考える。
保護主義的な動きは生産活動にマイナスの影響を与えていると思われる企業の売上高や利益予想が今後どの程度市場に織り込まれているかの確認が必要となる。
Refinitivが集計している第2四半期の売上高見通し(7/2現在)によるとS&P 500種の売上高は前年同期比3.4%増と低い伸びが想定されている。一方、フェイスブック(FB)などから窺えるように世界の広告関連支出は好調を維持しているようだ。注目セクターは2桁の伸びが見込まれるコミュニケーション・サービスやヘルスケアなど。一般消費財・サービスにも注目したい。
(7/4記 マーケット支援部 佐藤)