個別物色の展開に
5/13-5/17の米国株式市場は、再び緊張化した米中貿易問題を織り込み、個別銘柄を選別物色する展開を想定する。
5/1の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表後に記者会見を開いたパウエル議長は、米国のインフレについての話と金融政策に関して引き締めと緩和のどちらの方向にも偏っていないと説明した。米国経済は4月のPCEデフレーターなどの統計から窺える物価上昇圧力の落ち着きを受け、良好な環境が継続していると思われる。
資金流入が続く米国株式市場
年初からS&P500が前日比1%以上下落した日は4日ある(5/7現在)。ここまでは数少ない押し目買いのチャンスとなったようだ。一部報道によると4月に安全資産である金などから、米国株式の上場投信に200億ドルの資金が流入した模様。これらを念頭に置けば米中貿易問題に絡む混乱は押し目買いの好機と捉えられ弱気は禁物か。
米国企業の業績発表がほぼ一巡
第1四半期(19年1-3月期)決算は事前の予想を上回る内容となっている。リフィニティブの集計(5/7現在)によると、S&P500指数採用企業の414社が決算発表を終え、内75%で利益が市場予想を上回った。一般消費財・サービスが大幅な上方修正されたことが一つの要因となった模様。
決算の発表が一巡したことで、市場参加者の関心は、マクロ、あるいは第2四半期で良好な決算が見込まれる業種に向かうと思われる。
一方、リフィニティブの集計では同年第2四半期のS&P500指数採用企業の業績見通しで(5/7現在)利益は1.5%の低い伸びと想定されている。しかし、4/3に前倒して米国でサービスが開始されたと報じられていた第5世代移動通信システム(5G)に関連したコミュニケーション・サービスなど17.1%の伸びが見込まれている。5Gなどの好調な設備投資が予想されるセクターへの個別物色を想定したい。
(5/9記 マーケット支援部 佐藤)