経済統計が相場の押し上げ要因になるか
4/15-4/18の米国株式市場は個別物色の展開か。貿易問題や景気減速懸念が上値を抑えそうだが、既に相場に織り込み済みと思われ過度な不安は必要ないだろう。
トランプ政権が欧州連合(EU)に対する報復関税を警告したことや、国際通貨基金(IMF)が2019年の世界成長率見通しを金融危機以降で最低の水準に下方修正したことなど先行きに懸念を感じさせるが、足もとでは、3月の雇用統計の内容が好調であったことなど健全な米国経済の成長は維持されていると考える。来週もマクロ面での米国経済統計の発表が重なり、4/16発表予定の3月の鉱工業生産指数は2月の前月比0.0%増から同0.3%増への改善が見込まれている。4/18発表予定の3月の小売売上高は、2月の同0.2%減から同0.9%増に大幅に改善する見込み(予想はBloomberg)。この他に、4/19には住宅着工件数が発表予定。
指標の改善が示されれば今後、米国経済への波及効果が期待されそうだ。
一方海外では、現地時間4/17発表の1-3月期の中国GDPや主要中国経済指標が気になる。Bloombergの予想ではやや弱めの予想となっており、今後の波乱材料となる可能性があり注意が必要である。また、4/19は聖金曜日(Good Friday)で米国市場は休場となる。
いよいよ企業の決算発表が本格化
市場参加者の関心が、来週は企業業績にも向かいそうだ。ネットフリックス(NFLX)を筆頭にハイテク株を中心とした企業の1-3月期決算発表が本格化する。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇は決算を織り込んでいないと考えられ、好業績が確認された場合、これを素直に好感する動きが予想される。好調な決算銘柄の個別物色を想定したい。
(4/11記 マーケット支援部 佐藤)