上値を試す動きを想定
4/8-4/12の米国株式市場は上値を試す展開か。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内に利上げを行わず景気に配慮していく姿勢を示したことで落ち着いていた米国株市場は、「景気後退入り」の前兆とされる逆イールドの出現で一時的に動揺した。今回の逆イールドの背景には米当局のFRBへの利下げ圧力がうかがえる。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、米金融当局が政策金利を「直ちに」0.5pt引き下げることが望ましいとの考えを示した。また、トランプ大統領がFRB理事に指名する意向を示したスティーブン・ムーア氏も先に、0.5ptの利下げを実施すべきだと主張している。このような利下げ圧力により、将来の金利を織り込む長期金利と政策金利の影響を受けやすい短期金利との間に逆イールドが発生した。ただ、景気に敏感なハイイールド債指数などは高値圏にとどまっており、今回の逆イールドは「景気後退の予兆」とまでは言えず、市場の不安は1週間で解消となっている。実際、経済指数では、3月の米国ISM製造業景況指数が予想を上回り、中国の製造業PMIも新規受注と新規輸出受注指数がともに6カ月ぶりの高水準を付けるなど、米中製造業のマインド好転が見られ、相場に明るい材料といえるだろう。
SOX指数が高値更新
4/11-12にワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる予定。貿易摩擦が世界経済の成長リスクとなっており、EUは世界貿易機関(WTO)の改革が急務との考えを主張する見通しと、一部で報じられている。NYダウやS&P500が最高値手前でもみ合うなかSOX指数は一足先に高値更新となっている。米中貿易協議の進展期待が先取られたようだ。今後のトレンド転換に繋がるであろう。
(4/4記 マーケット支援部 佐藤)