米景気の先行きを巡り不安定な動き
4/1-4/5の米国株式市場は世界景気後退懸念から不安定な動きを想定するも、好業績銘柄を中心に底堅い動きを想定する。
3/20の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ再開が遠のいた。パウエルFRB議長は会見でハト派色を強め世界景気減速懸念は依然くすぶっているものの、「強力な雇用市場と安定した物価で経済の拡大を維持することを最大の目標にしている」その上で「金融政策ツールを使用していく」と語った。米中貿易交渉の方向と世界景気の減速が気になるが、中国の財政政策拡大効果が確認されれば市場は落ち着きを取り戻すであろう。一方、米国債券市場では不況の前兆とされる10年物長期金利と3カ月物金利が逆転する「長短金利逆転」が見られる。それでもNYダウは200日移動平均線レベル(25,185ドル3/27時点)を維持しており極端な下押し圧力は少ないようだ。市場の関心は経済指標と決算に移るであろう。
米経済指標を注視
3/22発表の3月マークイット米製造業PMI(速報)の落ち込みを受け、製造業の景況感を巡り神経質な展開や長短金利逆転などから市場が荒い値動きとなったことを踏まえると、今後発表される主要経済指標には注意が必要となる。4/1発表予定の3月ISM製造業景況指数が注目されるだろう。同日は個人消費に関する統計の2月小売売上高も発表となる。4/5に発表予定の雇用統計では失業率への注視が必要である。
主要企業の決算発表が本格化
4/12にJPモルガンチェース(JPM)、4/16にネットフリックス(NFLX)、アイビーエム(IBM)など主な企業の2019年1-3月期決算発表が本格化する。S&P500の同実績EPSは2017年が前年同期比18.34%、18年は同21.77%の伸びを示している。19年の予想EPSでは(3/27現在、予想はBloomberg)4.72%の低成長が予想されていることから、決算発表で好業績が確認された場合、これを素直に好感する動きが予想される。
(3/28記 マーケット支援部 佐藤)