12/2~6の中国株式市場は底堅い展開を見込む。
トランプ次期米大統領は11/25、中国からのほぼ全ての輸入品に対して追加で10%の関税をかけると表明。ただ、当初宣言していた「最大60%」についての言及はなく、カナダやメキシコには中国を上回る25%の追加関税を課すとしている。これを受け、対米ドルで人民元が下落したが、通貨安は輸出に有利に働きやすいため、関税引き上げの影響を一定程度カバーできるとの見方もあるようだ。
中国国内では消費財の買い替え促進策「以旧換新」の後押しで消費の持ち直しが見られる。乗用車市場信息聯席会は11月の乗用車小売台数が前年同月比15.4%増になるとの見通しを示した。伸び率で10月の同11.3%増を上回り、3カ月連続でプラス成長となりそうだ。中国当局は家電製品を含めた「以旧換新」政策の増強方針を示しており、今後も消費が中国経済全体をけん引していくと見られる。
ストックコネクト経由での「中国⇒香港」投資は買い越し基調が継続している。11月の買越額は1,000億香港ドルを超えており(11/27時点)、月間ベースで今年最大規模。中国からの旺盛な投資意欲は健在だ。
半導体分野では、米国による高帯域幅メモリー(HBM)の対中輸出規制の観測もあり、相場の下押し圧力になる可能性もあるが、12月開催予定の中央経済工作会議における政策期待も根強く、全体的には底堅く推移するだろう。
(11/27記 投資情報部 奥山)