9/23~27の中国株式市場は、香港市場は堅調な推移を見込むが、本土市場は政策待ちで模様眺めとなろう。
9/14に発表の8月主要経済指標は7月よりも伸び率が鈍化、景気低迷が長引いていることを示した。小売売上高は自動車販売の不振もあり低い伸びとなり、景気下支えが期待されるインフラ投資の伸びも鈍化した。内需の弱さに加え、自然災害の影響も考えられる。携程集団(トリップドットコム、09961)によると、10/1∼7 の国慶節の旅行は、海外旅行が好調継続の見通し。ただ、内需には下押し要因となろう。9/13には中国全国人民代表大会常務委員会が、退職年齢の引き上げを決定。年金財源の枯渇が懸念され、男性は現行の60歳から63歳へ、女性(一般労働者)は50歳から55歳へ15年かけて引き上げる。長期的な政策のため、足もとの若年層の失業問題には影響が軽微と見込む。
一方、好材料では、米国で9/18に50bpの利下げが決定。香港はドルに対して固定相場制を採用するため、市場金利の低下期待から株価は上昇基調にある。また、9/17に美的集団(000333)が香港証券取引所に上場、調達額は310億HKDと約3年半ぶりの大規模上場となった。上場日には一時株価が公開価格比+9.5%。香港市場復活の兆しがみられる。
FOMCでは25年末にかけて更に150bp引き下げられるとの見通しも公表された。香港市場は一段の上昇余地があろう。一方、本土市場は政策待ちが続く。9/20にも利下げが見込まれるが、内需を押し上げるためには従来の10bpを大きく上回る利下げが必要だろう。
(9/19朝記 投資情報部 白岩)