9/2∼6の中国株式市場は、米利下げ期待を背景に香港市場は引き続き確り、本土市場は底値模索の展開となろう。
足もとで主要企業の決算発表が続いている。8/21に決算が発表された科大訊飛(002230)はAIブームにもかかわらず赤字継続となったが、主要企業は概ね好決算になったようだ。トリップドットコム(09961)は海外旅行者の拡大を背景に1~6月期の純利益は前年同期比6倍となり、翌8/27の株価は前日比+9.0%となった。舜宇光学科技(02382)は携帯電話関連等が好調で同147.1%増益となった。また、減益が続いた平安保険(02318)は投資損失の縮小もあり、同+6.8%と、増益へ転じた。なお、8/27に発表の7月の工業部門企業利益は前年同月比+4.1%と、6月の同+3.6%から伸び率が高まった。景気減速が懸念される中でも、企業業績は確りしている模様。
8/23にパウエル米FRB議長がジャクソンホール会議で「利下げの時が来た」と発言、9月の米利下げはほぼ確定したようだ。香港では米ドルに対する固定相場制を採用しているため、米金利が低下すれば香港でも市場金利が低下しやすく、足もとの香港市場の持ち直しを支えているとみられる。当面、香港市場は確りした展開を続けると見込む。
また、米利下げ期待で人民元対ドルレートが上昇している。このため、米国が利下げを実施すれば、中国人民銀行は元安を懸念することなく米国に追随し利下げを実施するとみる。そうなれば、本土市場も直に持ち直し期に入ると考える。