8/19∼23の中国株式市場は底値模索の展開を予想する。
8/13に発表された7月の金融機関を除く新規銀行融資の合計は800億元減と、05年以来の減少となった。個人、企業共に新たな投資を抑制し返済を急いでいるようだ。新規融資縮小は景気減速の継続を示すとみられ、政府による財政支出拡大による景気浮揚努力が期待される。
景気懸念が強まりつつあることから、中国株式市場、特に本土市場は出来高も少なく軟調な展開が続いている。
ただ、個別銘柄に好材料が見られる。8/8に発表の中芯国際(SMIC、00981)の4∼6月期は大幅減益だったが市場予想を上回り、翌8/9の株価は前日比+4.9%となった。8/13には通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、非上場)が、米エヌビディアの人工知能(AI)用チップ「H100」(22年4月発表)に相当する新型チップを近く投入すると報じられた。中国のAI開発に弾みがつこう。また、8/14にはテンセント(00700)が4∼6月期に8%増収、82%増益だったと発表。利益率が良いとみられるゲーム部門が好調だったこともあり大幅増益を達成した。
8/20は政策金利の1つ、最優遇貸出金利が発表予定。ただ、今回の利下げは見送られ、米国の利下げ後に活発化しよう。8/19の週の中国株式市場は全体としては底値模索の展開になると見込む。その中、好業績を発表した企業が物色されよう。
(8/15朝記 投資情報部 白岩)