6/26~30の中国株式市場は方向感のない展開を見込む。
ブリンケン米国務長官が訪中、6/18には秦外相と7時間半にわたり、翌6/19には習近平国家主席とも会談、米中とも関係改善に対する期待を示した。一方、中国の李強首相は初外遊として6/18~23に独仏を訪問、米国と対立する中、欧州重視の姿勢を示したとみられる。当面、欧米との関係が更に悪化するリスクは後退したようだ。
「6.18」ネットセールは、空調等の一部家電は好調だったが、業種により期待外れのようだ。景気の下振れも懸念され、投資家は永らく景気刺激策を待望。足元では、6/20の最優遇貸出金利の0.1%pt引き下げ、6/21の新エネ車購入税の減免延長(~27年末)等の景気刺激策が発表された。ただ、景気全体への影響は限定的とみられ、株価は軟調な地合いに。6/20 にアリババ(09988)の張会長が退任し、政府と確執があると見られる馬氏に近い蔡副会長が後任になったことも、外国人投資家の失望売りを誘ったようだ。
6/26の週も株価は方向感のない展開が続こう。ただ、6/30に発表予定の6月購買担当者景気指数(PMI)は、製造業と非製造業共に改善を見込む。鉄鋼製品等の需要は堅調なようで5月末から製品価格が上昇、また、トリップドットコム(09961)によると、6/14までの夏休みの国内線予約検索数は19年を25%上回った模様。景気改善が示されれば、株価は持ち直そう。
(6/21記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
京東集団(JDドットコム)(香港・09618/Z8957)
◆Eコマース事業を展開
◆23年1~3月期の売上高は前年同期比1.4%増、純損益は同黒字転換。粗利益率は前年同期の14.0%⇒14.8%に改善
◆プラットフォーム環境を改善中。中小企業への支援策などを含む「春暁計画」を打ち出し、23年1Qの新規サードパーティ加盟店数が前年同期より240%膨らみ、取引実績のある店数は前期比20%増、有料ユーザー数も前年同期比30%増加。「6.18」期間中の流通取引総額(GMV)は過去最多を更新し、2Qの GMV伸び率は加速する見通し。下期のダブルイレブンも業績を押し上げそう。また、中国当局による利下げ加速で景気持ち直しが見込まれ、同社は恩恵を受けよう
(投資情報部 呉)
珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンセズ)(深センA・000651/Z8610)
◆28年連続でエアコン国内販売量1位
◆23年1~3月期は前年同期比0.4%増収、同2.6%増益。原材料高の緩和で、粗利益率は前年同期の23.7%⇒27.4%に改善した
◆23年1Qの契約負債は前年同期比60%増、営業活動によるネットキャッシュフローは大幅増で、顧客からの需要が増えると見られる。「6.18」期間中のエアコン販売量は大きく増加し、エルニーニョ現象による暑さで2Q以降の夏の販売増も見込む。また、1~5月の不動産完成床面積は前年同期より18.4%増。中国当局の不動産支援策などにより今後完成増が期待されるため、エアコン設置増加が見込まれる。下期の業績は改善しよう。予想配当利回りは6%超
(投資情報部 呉)