17日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に続伸した。終値は前日比1,413.73pt(7.03%)高の21,501.23ptと、心理的な節目の21,000pt台を回復し、4日以来およそ2週間ぶりの高値を回復した。米金融政策の不透明感が後退。中国の政策期待も続き、投資家がリスクを選好する姿勢を強めた。これまで売り込まれてきた中国のネット大手が買われた。中国政府がネット企業や不動産などへの締め付け姿勢を緩めるとの期待が強まった。中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団(09988)が12.5%高、中国ネットサービスのテンセント(00700)が6%高。米長期金利の上昇が預貸利ざやの改善期待を誘い、英金融HSBC(00005)も大幅に上げた。香港の不動産株が高く、中国の消費関連も上昇した。半面、中国自動車メーカーの吉利汽車控股(00175)は小幅安だった。香港メーンボードの売買代金は3009億香港ドルと連日で節目の3000億香港ドルを上回った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで2億500万香港ドルの売り越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比417ドル66セント(1.2%)高の34,480ドル76セントで終えた。ロシアの外貨建て国債(米ドル建て)の利払いが実施されたと伝わった。ロシアの債務不履行(デフォルト)への懸念がやや和らぎ、幅広い銘柄に買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比178.228pt(1.3%)高の13,614.781ptで終えた。
18日の香港株式市場でハンセン指数は売り優勢の展開か。続伸した反動で、利益確定売りが優勢となりやすいと想定される。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
17日の中国・上海株式市場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比44.3342pt(1.39%)高の3,215.0445ptと、心理的な節目の3,200ptを回復した。中国人民銀行(中央銀行)や複数の規制当局が16日に金融市場に配慮する政策姿勢を相次いで打ち出した。前日に続いて当局の政策期待から投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。16日に国営メディアを通じ、中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相が主催する国務院(政府)金融安定発展委員会の会議の内容が報じられ、中国政府が景気下支えや米中の会計監査を巡る対立の解決に向けて動いていると伝わっていた。香港とのストックコネクトを通じた海外勢の買いも目立った。不動産税の試験導入先送り方針を受け、不動産株が大幅高となった。酒造や保険、鉄鋼株が高く、家電や観光関連、畜産関連、医薬、電子部品関連株も買われた。半面、電力や証券株が安かった。海運やリチウム関連株も売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は合計で1兆2754億元と、節目の1兆元を3日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで53億6400万元の買い越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
18日の中国本土市場はもみ合いか。中国本土での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが上値を抑えそうだ。
(マーケット支援部 林)