21日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前日比191.06pt(0.89%)安の21,221.34ptだった。中国当局が市場安定化の方針を先週表明する中、具体的な政策を見極めたいとするスタンスが上値を重くした。資源高による景気下押しの警戒感もくすぶる状況。制裁措置によりロシア産原油の供給不足が指摘される中、WTI原油先物は再び騰勢を強めた。もっとも、大きく売り込む動きはみられなかった。なお、中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を予想通り据え置いた。火鍋チェーン最大手の海底撈国際控股(06862)や、飲食ポータルサイトの美団(03690)の下げが目立った。流動性危機に直面する不動産デベロッパー大手、中国恒大集団(03333)は、関連会社などと共に売買を一時停止した。万科企業(02202)などの不動産関連銘柄も安かった。半面、都市ガス関連の銘柄が高く、半導体セクターもしっかりだった。香港メーンボードの売買代金は1490億香港ドルに縮小した(18日は2366億8430万香港ドル)。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで10億8000万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前週末比201ドル94セント(0.6%)安の34,552ドル99セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が21日、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げの可能性を示唆した。金融引き締め加速を警戒し、幅広い銘柄に売りが膨らんだ。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前週末比55.377pt(0.4%)安の13,838.460ptで終えた。
22日の香港株式市場でハンセン指数は軟調な展開か。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)
反落か
21日の中国・上海株式市場は小幅に4営業日続伸。上海総合指数の終値は前日比0.08%高の3,253.69ptだった。上海総合指数は、前場はプラス圏での推移が目立ったが、後場はマイナス圏で推移。大引けにかけて下げ幅を縮小し、前週末終値付近まで戻して取引を終えた。前週末の米株高が好感される一方、指数は前週末まで3日続伸した後とあって、利益確定の売りが相場の重しとなった。また、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることやこう着状態の続くウクライナ情勢も嫌気された。セクター別では、漢方薬や製薬、医療サービスなどが買われた半面、保険や証券、銀行が売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆151億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで84億2000万元の売り越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
22日の中国本土市場は反落か。続伸した反動で、利益確定売りが優勢となりやすいと想定される。21日午後に乗客乗員132人を乗せた国内線の旅客機が墜落したことから、航空・旅行関連銘柄への売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)