19日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日ぶりに小幅に反発した。終値は前日比15.07pt(0.06%)高の24,127.85ptだった。18日の米原油先物相場の上昇で資源株が買われ、相場を支えた。ハンセン指数は前日までの3日続落で1.3%下落しており、値ごろ感の強まった銘柄などに買いが入った。もっとも、香港時間19日の取引で米長期金利が上昇して米株価指数先物が下落し、香港市場でもハイテク株に売りが出た。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は5日続落し、終値は同0.97%安の5,642.91ptだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1149億香港ドルと、前日からやや増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億9100万香港ドルの買い越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比339ドル82セント(1.0%)安の35,028ドル65セントで終えた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われてダウ平均は上昇して始まったが、買い一巡後は景気敏感株を中心に売られて下げに転じた。取引終了にかけて売りが強まる展開で、ほぼこの日の最安値で終えた。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株への売りも続いた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、同166.642pt(1.1%)安の14,340.255ptで終えた。
本日の香港株式市場は一進一退の展開か。中国の新型コロナウイルス感染再拡大や、米国の金利高がマイナス材料として意識されるも中国の金融緩和期待が相場を支えよう。
(マーケット支援部 床井)
政策金利の見直しに注目
19日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比11.7348pt(0.32%)安の3,558.1796ptだった。国内で新型コロナウイルスの感染拡大や行動規制が続き、景気が一段と減速するとの警戒感が広がり、リスク回避目的の売りが出た。半導体や化学、自動車関連が安く、医薬や非鉄金属、軍事関連株も売られた。反面、酒造や銀行の一角が高く、保険や電機、建設株も買われた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆653億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで38億2100万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、紫光国芯微電子(ユニグループ・グオシン・マイクロエレクトロニクス、002049)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は上値の重い展開か。「ゼロコロナ」政策が堅持されているだけに、行動抑制強化の不安は依然として相場の重荷となっているようだが、本日午前中に公表される、実質的な政策金利の最優遇貸出金利(LPR)は引き下げられるとの見方が多く、実施されれば、ある程度の投資家のリスク選好が期待できよう。
(マーケット支援部 床井)