休場明け28日の香港株式市場は5日続伸した。ハンセン指数の終値は前営業日の24日と比べて56.80pt(0.24%)高の23,280.56ptだった。前日の米株高や原油先物相場の上昇などを手がかりに香港市場でも買いが波及した。28日の中国本土の株式相場が午後に強含むと、香港市場でも投資家心理が強気に傾いた。もっとも年末とあって商いは低調で、指数の上値は重かった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大に対する警戒感もくすぶった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は3日続落し、同0.88%安だった。香港メーンボードの売買代金は997億香港ドルと、節目の1000億香港ドルを下回る低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億1100万香港ドルの売り越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比95ドル83セント(0.3%)高の36,398ドル21セントで終えた。新型コロナウイルスの感染が拡大しても、米経済への悪影響は限られるとの見方から景気敏感株を中心に買われた。一方、足元で上昇が続いたハイテク株は短期的な利益確定の売りが目立った。コロナ感染の拡大に対応し、ニューヨーク市の主要店舗を閉鎖したスマートフォンのアップルが下落。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトも下げた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比89.538pt(0.6%)安の15,781.724ptで終えた。
本日の香港株式市場は小動きか。年末が近づく中で薄商いが想定され、ハンセン指数は前日終値近辺での小動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
上値の重い展開か
28日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比14.1374pt(0.39%)高の3,630.1115ptだった。朝方は中国当局による規制強化への懸念を背景に、投資家がリスク回避する姿勢を強めた。一方、当局の景気下支え策への期待も根強く、指数は午後に切り返し、上げ幅を拡大した。バッテリー関連や化学、希土類(レアアース)関連株が高い。家電や半導体、海運株が買われた。酒造や通信株も堅調だった。反面、石炭や電力、食品株が安い。医薬や建材株が売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆26億元と、節目の1兆元を回復した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで12億9200万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は上値の重い展開か。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、経済活動の縮小懸念が相場の上値を抑えよう。
(マーケット支援部 床井)