23日の香港株式市場は3日続伸した。ハンセン指数の終値は前日比91.31pt(0.39%)高の23,193.64ptだった。前日の米株高を受け、投資家心理が改善した。寄与度の大きい中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)が同4.2%高となり、指数を押し上げた。もっともクリスマス休暇を控え、低調な商いが続き、指数の上値は重かった。テンセントは23日朝に中間配当として保有するネット通販の京東集団(JDドットコム、09618)株を割り当てると発表し、材料視された。1銘柄で指数を77pt押し上げ、ハンセン指数全体の上昇幅の大部分を占めた。半面、流通株式数の増加による需給悪化が意識され、JDドットコムは同7.0%安となった。中国動画配信大手の快手科技(クアイショウ、01024)やBilibili(ビリビリ、09626)の下げも目立った。香港メインボードの売買代金は1091億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで28億6500万香港ドルの買い越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比196ドル67セント(0.6%)高の35,950ドル56セントで終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染による入院や重症化のリスクが低いとの調査結果が相次ぎ、投資家心理の改善につながった。機械や素材など景気敏感株を中心に買いが入った。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比131.482pt(0.8%)高の15,653.374ptで終えた。
24日の香港株式市場でハンセン指数は確りの展開か。米国市場の上昇の流れを引き継ぎ、買いが先行しそうだ。本日はクリスマスイブのため、香港市場が前場のみの取引となる。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
23日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比20.7213pt(0.57%)高の3,643.3391ptだった。朝方は下げに転じる場面もあったが、中国当局による産業支援策への期待が引き続き根強く、指数は午後に上げ幅を拡大した。中国工業情報化省の肖亜慶省長が23日の会議で、2022年に新エネルギー車などグリーン関連産業に対する支援策を展開すると伝えた。自動車やバッテリー関連、電力株が高い。酒造や資源・素材、農業関連株が買われた。半面、医薬や不動産、化学株が安く、メディアや観光関連株が売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで24億9200万元の買い越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
24日の中国本土市場はもみ合いか。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。また、本日は現地取引ルールによりストックコネクト取引は受付不可となる。
(マーケット支援部 林)