22日の香港株式市場でハンセン指数は続伸した。終値は前日比131.00pt(0.57%)高の23,102.33ptと、3営業日ぶりに心理的な節目の23,000pt台を回復した。前日の米株高を支えに投資家のリスク選好意欲が続いた。相場全体に対して値ごろ感の強まっていた銘柄を物色する動きも目立ち、ハンセン指数は堅調に推移した。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は927億香港ドルと、5月4日(907億香港ドル)に次ぎ2021年に入り2番目の少なさだった。既にクリスマス休暇入りしている投資家が増えていることが背景にあるとみられる。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も続伸し、終値は同1.29%高の5,685.29ptだった。今月に入り売り込まれていたハイテク大手が買われた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで30億4700万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比261ドル19セント(0.7%)高の35,753ドル89セントで終えた。消費マインドの強さを示す米経済指標や、新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用が承認されたことで投資家心理が改善。消費関連株を中心に買いが入った。消費の強さが意識される中でも、米長期金利は横ばい圏で推移した。長期金利が上昇すると売られやすいハイテク株への買いを誘い、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、同180.805pt(1.2%)高の15,521.892ptで終えた。
本日の香港株式市場は小動きか。クリスマス休暇モードに加え、手掛かり材料も乏しい中、大きな方向性は出にくいとみられる。薄商いが想定される中、押し目買い意欲が相場を支えよう。
(マーケット支援部 床井)
個別株の選別物色が強まろう
22日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比2.5073pt(0.06%)安の3,622.6178ptだった。国内で新型コロナウイルスの感染が拡大。行動規制も実施されており、リスク回避目的の売りが出た。指数は前日終値を上回る場面も目立った。減速する中国景気の下支えのため、中国当局が追加の政策を打ち出すとの期待が続いた。短期金融市場で企業の資金調達の環境が改善しているとの見方も広がり、好感された。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆624億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで17億4500万元の売り越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム、600690)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買われ、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、牧原食品(ムーユエン・フーズ、002714)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場はもみあいか。新規の買い材料が乏しい中、個別株の選別物色がより強まろう。仮想世界「メタバース」関連株が注目されよう。
(マーケット支援部 床井)