21日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比226.47pt(0.99%)高の22,971.33ptだった。前日に年初来安値を更新していたため、値ごろ感を意識した買いが先行した。中国不動産業界の資金繰りを巡る懸念の後退を受け、本土不動産株が軒並み上昇し、相場をけん引した。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に反発し、同2.1%高で終えた。クリスマス休暇を控え、商いは低調だった。香港メーンボードの売買代金は1102億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで32億7500万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比560ドル54セント(1.6%)高の35,492ドル70セントで終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感から前日までの3日続落で1000ドル近く下げた反動で、消費関連株などに値ごろ感の買いが優勢となった。米国で感染が増えているオミクロン型への警戒感は強いが、ワクチンの追加接種がオミクロン型の感染防止に一定の効果があるとされている。足元の相場下落は行き過ぎとの見方が出て、空運やクルーズ船など旅行・レジャー関連株を中心に押し目買いが入った。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、同360.143pt(2.4%)高の15,341.087ptで終えた。
本日の香港株式市場は続伸スタートか。前日の米株式市場の上昇を受け、値ごろ感のある銘柄を中心に買いが入りそうだ。一方、クリスマス休暇前で、積極的に取引が行われるような動きにはならず、買い一巡後は小幅なレンジでのもみ合いとなろう。
(マーケット支援部 床井)
買い先行後は膠着感の強い相場展開か
21日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比31.5232pt(0.87%)高の3,625.1251ptと、前日に割り込んだ心理的な節目の3,600pt台を再び回復した。景気減速感の高まりが政策期待を誘い、恩恵を受ける銘柄を物色する動きが強まった。景気減速を受けて当局が不動産引き締め政策を和らげるとの観測が浮上し、不動産株が軒並み買われた。金融株や資源・素材株も総じて上昇し観光株や空運株にも買いが入った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで9億9700万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しなった。
本日の中国本土株式市場は続伸か。経済対策の期待感からテーマ性のある銘柄などへの物色が続きそうだ。足元では不動産関連セクターへの物色が強まっている。なお、景気悪化の不安も残る中、買い先行後は膠着感の強い相場展開になりそうだ。
(マーケット支援部 床井)