8日の香港株式市場でハンセン指数は続落した。終値は前週末比106.74pt(0.42%)安の24,763.77ptと、10月7日以来およそ1カ月ぶりの安値を付けた。中国共産党の第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が8日に開幕した。中国政府によるハイテク産業の規制強化懸念が再び意識され、時価総額の大きな中国のネット株に売りが出た。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も続落し、終値は同1.31%安の6,193.98ptだった。中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)や中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)が軟調に推移した。中国のバイオ株や消費関連も売られた。反面、世界の経済活動の正常化への期待から、空運や旅行社など観光関連は買われた。金融株が軒並み買われ、香港の不動産株や中国の資源株も高かった。香港メーンボードの売買代金は1219億香港ドルと、前週末(1283億香港ドル)からやや減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億3100万香港ドルの売り越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比104ドル27セント(0.3%)高の36,432ドル22セントと連日で過去最高値を更新した。米議会下院が5日にインフラ投資法案を可決した。建機のキャタピラーなど政策の恩恵を受ける銘柄を中心に買われた。前週末の米雇用統計を受けた米景気への楽観も相場を支えた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は11日続伸し、前週末比10.769pt(0.1%)高の15,982.357ptと連日で最高値を更新した。
9日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。前日の米株式市場が上昇したことが好感され、買いが先行しやすい動きとなりそうだが、目新しい材料が見当たらない中、方向感に乏しい展開になりそうだ。
(マーケット支援部 林)
上値が重い展開か
8日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比7.0631pt(0.20%)高の3,498.6308ptだった。7日に発表された10月の中国貿易統計で、輸出が市場予想を上回る堅調な結果となり、投資家心理が上向いた。取引開始後には、不動産大手の中国恒大集団の子会社が発行した6日に期日を迎える米ドル建て債について「一部の債券保有者が利払いを受け取っていない」とも伝わった。ただ、相場への影響は限られた。11日まで中国共産党の6中全会が開催中とあって、投資家の様子見姿勢も強かった。経済活動の正常化期待から空運や観光関連株が総じて買われた。証券株が堅調。バッテリー関連株が上昇した。反面、医薬や医療関連サービス株が大幅安。食品や家電、半導体関連株が売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで10億300万元の売り越しだった。個別では、上海汽車集団(SAICモーター、600104)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
9日の中国本土市場は上値が重い展開か。中国共産党の6中全会期間中で、様子見姿勢の投資家が多いもよう。全体相場が動きづらい中、材料の出た個別銘柄を選別物色する動きが中心となろう。
(マーケット支援部 林)