9日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比49.36pt(0.19%)高の24,813.13ptだった。前日の米株高を受け買いが先行。値ごろ感も意識された。もっとも、中国共産党の第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が11日まで開かれるため様子見ムードも広がり、指数は一進一退となった。中国当局が学習塾のライセンス発行を計画すると伝わり、教育関連株が上昇した。反面、中国不動産の佳兆業集団(カイサ・グループ、01638)の経営不安が波及し、他の中国不動産株も下落した。香港メーンボードの売買代金は985億香港ドルと、前日から2割減り、約1カ月ぶりに節目の1000億香港ドルを下回った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億4000万香港ドルの売り越しだった。
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比112ドル24セント(0.3%)安の36,319ドル98セントで終えた。前日まで連日で過去最高値を更新し、過熱感も意識されていたため、最近上昇が目立っていた景気敏感株を中心に利益確定売りに押された。米長期金利の低下を受け、金融株が売られたのも相場の重荷だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は12営業日ぶりに反落し、前日比95.814pt(0.6%)安の15,886.543ptで終えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が保有株を売却するとの観測が強まっている電気自動車のテスラが12%安と大幅続落した。
本日の香港株式市場は様子見ムードが強い展開か。11日までに中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開かれているうえ、中国と米国で10月の消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見ムードが強くなりそうだ。
個別では、ネットサービス大手の騰訊HD(テンセント、00700)が日本時間21時に決算発表予定。中国政府の規制強化は同社事業にどの程度の影響を与えるのか、市場の関心度は高そうだ。
(マーケット支援部 床井)
中国の消費者物価指数(CPI)の発表に注目が集まろう
9日の中国・上海株式市場は小幅に続伸した。上海総合指数の終値は前日比8.3710pt(0.23%)高の3,507.0018ptと、3営業日ぶりに3,500pt台を回復した。中国国内の投資家の投資意欲が堅調との見方から買いが優勢となった。ただ、中国共産党の第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開催中。中国の10月の経済指標の発表が本格化することもあって様子見気分が強く、相場は一進一退となった。
中国当局の脱炭素促進方針を受け、新エネルギー関連が買われた。反面、石炭価格の下落が伝わり、資源・素材株が軒並み売られた。東北地方や内陸部の大雪で交通に影響が出ていると伝わった運輸株も下げた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆108億元と前日(1兆388億元)からやや減ったが、13日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで21億1600万元の売り越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ-・インダストリアル、600887)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
本日は日本時間10時30分に10月の中国の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が発表される予定。結果によっては神経質な展開になる可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)