14日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前日比311.58pt(1.20%)安の25,502.23ptと約2週間ぶりの安値だった。小幅高で始まったが、中国当局の規制強化への懸念から売りに押され、すぐに下げに転じた。15日に工業生産高など中国の8月の経済指標の発表が相次ぐのを前にした、持ち高調整の売りも重なった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同1.40%下げ、2週間ぶりの安値だった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前日比6%減の1409億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで900万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比292ドル06セント(0.8%)安の34,577ドル57セントで終えた。朝方発表の8月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、緩和的な米金融政策が当面続くとの見方から買いが先行した。ただ、米長期金利が低下幅を広げると銀行株を中心に景気敏感株が売られ、ダウ平均も下げに転じた。午後にかけ下げ幅をじりじりと広げる展開だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落した。前日比67.823pt(0.4%)安の15,037.759ptで終えた。
本日は中国の経済指標が発表される予定。発表を受け、本土市場が堅調に推移すれば、香港市場も落ち着いた値動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)
中国経済指標の動向に注目
14日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比52.7708pt(1.42%)安の3,662.6015ptと、心理的節目の3,700ptを下回った。指数は前日に約6年1カ月ぶりの高値を付けており、朝方から利益確定目的の売りが先行した。15日に中国の主要経済指標の発表を控え、持ち高調整の売りも出やすかった。午後に入ると香港との証券相互取引を通じた海外勢の売りが膨らみ、指数は下げ幅を広げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆5131億元と前日から約3%増え、節目の1兆元を40日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで41億2900万元の売り越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日は日本時間11時に中国国家統計局が8月の工業生産高と小売売上高などを発表する予定。予想を下回る結果となれば、リスク回避の動きが強まる可能性もあるが、中国政府による経済対策への期待が支えとなり、全体が大きく崩れる可能性は低いとみられる。
(マーケット支援部 床井)