15日の香港株式市場は大幅に3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比469.02pt(1.83%)安の25,003.21ptだった。8月20日以来およそ3週間ぶりの安値を付けた。15日発表の8月の中国の主要な経済統計を受け、中国景気の減速懸念が強まった。当局による監督が強化されることへの警戒感から、マカオカジノ株が急落。中国のネット大手株も総じて売られ、相場の下げを主導した。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に3日続落し、同3.14%安で終えた。香港メーンボードの売買代金は1570億香港ドルと、前日から1割ほど増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億7000万香港ドルの売り越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比236ドル82セント(0.7%)高の34,814ドル39セントで終えた。前日に300ドル近く下げて約2カ月ぶりの安値圏にあったため、最近下げが目立っていた景気敏感株を中心に値ごろ感からの買いが入った。米景気の底堅さを示す経済指標の発表も投資家心理の改善につながった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反発し、前日比123.771pt(0.8%)高の15,161.530ptで終えた。
本日の香港株式市場は、前日の米株式市場で主要3指数が上昇したことが支えとなり、買い先行で始まろう。ただ、15日発表の中国の主要な経済指標は、新型コロナウイルスの感染再拡大などを背景に小売売上高や工業生産の伸びが鈍るなど、経済減速を意識させる内容だった。また、過剰債務と資金繰り不安に揺れる中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ、03333/HK)もネガティブ材料となっている。中国当局による景気下支え期待があるも、当分は軟調気味の方向感の乏しい値動きが続くとみられる。
(マーケット支援部 床井)
積極的に取引が行われるような動きにはならず、もみあいか
15日の中国・上海株式市場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比6.3783pt(0.17%)安の3,656.2232ptと、6日以来の安値を付けた。朝方発表の中国の8月の経済指標の伸びが前月から鈍化し、景気の減速を警戒する売りが優勢となった。一方で中国政府が景気刺激策を打ち出しやすくなるとの思惑も根強く、指数は前日終値を挟み一進一退となった。不動産大手の中国恒大集団の債務悪化懸念が強まるなか、不動産株が売られた。半面、商品先物相場の上昇基調を背景に中国石油天然気(ペトロチャイナ、601857/SH)は連日で年初来高値を更新した。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3546億元と、前日(1兆5131億元)から1割減ったが、売買代金の1兆元超えは41日連続だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで21億3900万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、上海璞泰来新能源科技(シャンハイ・プータイライ・ニュー・エナジー・テクノロジー、603659)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は前日終値近辺でのもみあいか。積極的に取引が行わるような材料に乏しく、動きづらい展開となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)