8日の香港株式市場は3営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比32.70pt(0.12%)安の26,320.93ptだった。朝方は前日の米ハイテク株高で香港市場でもハイテク株を中心に買いが先行したが、次第に利益確定目的の売りが優勢となった。中国の8月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の発表を控え、結果を見極めたいとの様子見気分も強まった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も3営業日ぶりに反落し、同0.24%安だった。半面、マカオと広東省の新しい出入境管理施設が使用を開始し、マカオカジノ株が総じて堅調だった。中国で9月下旬の連休の国内旅行が好調との見通しを手掛かりに、旅行予約サイトの関連株も上昇した。香港メーンボードの売買代金は1521億香港ドルと、前日から5%増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億3900万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比68ドル93セント(0.2%)安の35,031ドル07セントで終えた。前日までの2営業日で300ドル余り下げたため朝方は買いが先行した。ただ、買い一巡後は新型コロナウイルスの感染拡大による景気回復の鈍化を警戒した売りが次第に優勢となった。3日発表の8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったのをきっかけに経済成長率見通しを下方修正する金融機関が増え、投資家心理の重荷となった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、同87.691pt(0.6%)安の15,286.637ptで終えた。
本日の香港株式市場は前日の米株式市場の下落を受け、目先の利益を確定する売りが先行しそうだ。ただ、中国本土が堅調に推移すれば、香港市場でも買い安心感が広がろう。
(マーケット支援部 床井)
経済対策への期待感が引き続き相場の支えとなろう
8日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに小幅反落した。上海総合指数の終値は前日比1.4001pt(0.03%)安の3,675.1865ptだった。中国景気の先行き懸念がいったん和らいだほか、中国当局の金融緩和策への期待も続き、投資家心理が上向いた。半面、指数は約7カ月ぶりの高値圏で利益確定の動きも見られた。売買が交錯し、相場は終日方向感を欠いた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆4747億元。前日から小幅に増え、節目の1兆元を36日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで16億1700万元の売り越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は経済対策への期待感が引き続き相場の支えとなりそうだ。本日は8月の中国消費者物価指数、中国卸売物価指数が発表される予定。市場では両指標ともに前月並みの上昇率が見込まれている。
(マーケット支援部 床井)