7日の香港株式市場でハンセン指数は続伸した。終値は前日比190.00pt(0.72%)高の26,353.63ptと、8月13日以来の高値を回復した。7日発表の中国の8月の貿易統計が輸出入ともに市場予想を上回り、足元の中国経済に対する安心感が広がった。香港時間7日の米株価指数先物が上昇したことも投資家心理を上向かせた。中国のネット株など香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は同1.61%高の6,887.94ptだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1448億香港ドルと、前日(1463億香港ドル)からやや減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで40億6600万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、3連休前の前週末に比べて269ドル09セント(0.8%)安い35,100ドル00セントで終えた。新型コロナウイルスの感染拡大で米景気の回復が遅れるとの警戒感から、景気敏感株を中心に売りが優勢となった。一方、緩和的な米金融政策が継続され、低金利が追い風になるとの見方から主力ハイテク株は総じて買われ、相場を支えた。14日に特別イベントを開くと発表したスマートフォンのアップルは、新型「iPhone(アイフォーン)」への期待も買いを後押しした。ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比10.812pt(0.1%)高の15,374.328ptと連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は確りの展開か。中国経済対策に対する期待感が相場を下支えする流れが続こう。ただ、企業への規制強化などが足かせとなり上値が重く、横ばいでの推移となろう。
(マーケット支援部 床井)
前日の終値近辺でもみ合いか
7日の中国・上海株式市場は大幅に続伸した。上海総合指数の終値は前日比54.7273pt(1.51%)高の3,676.5866ptと、2月19日以来およそ7カ月ぶりの高値を付けた。7日発表の8月の中国貿易統計は輸出入ともに市場予想を上回った。中国経済の減速懸念が和らぎ、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆4023億元と、前日から小幅に減ったが、節目の1兆元を35日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで60億6900万元の買い越しだった。個別では、恒生電子(ハンサンテクノロジーズ、600570)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は前日の終値近辺でもみ合いか。当局による規制強化と政策期待で方向感がでにくい展開となろう。
(マーケット支援部 床井)