6日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前週末比261.64pt(1.01%)高の26,163.63ptと、約3週間ぶりの高値だった。寄り付き直後に切り返すなど、朝方から投資家の押し目買い意欲が強かった。中国政府による民間経済の支援方針が伝わったほか、中国・上海や日本など他の主要なアジア株相場の上昇を支えにハンセン指数も水準を切り上げ、この日の高値圏で引けた。ネットサービスのテンセント(00700)やショート動画の快手科技(クアイショウ、01024)などネット大手への買いが目立った。中国当局の規制強化への懸念がいったん和らぎ、オンライン個別指導の新東方在線科技控股(クーラーン・テクノロジー・ホールディング、01797)が急伸するなど、教育とIT(情報技術)を組み合わせた「エドテック」企業の買いも目立った。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前週末比0.73%高だった。香港メーンボードの売買代金は前週末比15%減の1463億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで20億9700万香港ドルの買い越しと、9営業日ぶりに買い越しとなった。
7日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。中国の劉鶴副首相は、民間経済を支援する必要があるとし、「民間経済支援の指針と政策は変わっておらず、今後も変わらない」との考えを示したと伝わったことが、ハイテク株の追い風となりそうだ。ハンセン指数は8月11日に付けた26,822ptを目指す動きか。経済指標では、8月の中国貿易統計が発表される予定。輸出入の落ち込みは直近のPMIの低調さからある程度想定済みと思われ、経済対策への期待も支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
中小型株中心に堅調な展開を想定
6日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比40.1249pt(1.12%)高の3,621.8593ptと心理的な節目の3,600ptを上回り、6月1日以来3カ月ぶりの高値を付けた。前週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを背景に、ハイテク株に押し目買いが入った。前週に習近平(シー・ジンピン)国家主席が表明した中小企業向けの新市場「北京証券取引所」の設立計画が進展したことも、ハイテク株買いを誘った。ハイテク株の上場が多い上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は上昇し、終値は前週末比2.72%高の1,438.9953pt、深センの新興企業市場「創業板」指数は同4.05%高の3,228.087ptで終えた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆4261億元となり、売買代金の1兆元超えは34日連続となった。中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億8100万元の買い越し。個別では、恒生電子(ハンセン・テクノロジーズ、600570)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、 新疆特変電工(TBEA、600089)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
7日の中国本土市場は堅調な展開か。劉鶴副首相が民間経済支援の方針に変わりはないと発言したと伝わったことが、中小型株の追い風となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)