27日の香港株式市場は小幅に3日続落。ハンセン指数の終値は前日比7.80pt(0.03%)安の25,407.89ptだった。米カンザスシティー連銀が主催する国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の開催を27日に控え、米金融緩和の縮小時期を巡る不透明感が強まり、投資家の間で様子見ムードが広がった。指数は前日の終値を挟んで一進一退の展開が続いた。商いは低水準にとどまり、香港メーンボードの売買代金は1289億香港ドルと前日から1割弱減った。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も小幅に続落し、同0.23%安で終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで34億3600万香港ドルの売り越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比242ドル68セント(0.7%)高の35,455ドル80セントで終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、当面は緩和的な金融環境が続くとの見方が広がり、投資家心理が改善した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比183.694pt(1.2%)高の15,129.501ptと過去最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発し、前日比39.37pt(0.9%)高の4,509.37ptと初めて節目の4,500ptを上回って終えた。
30日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前週末27日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、香港市場も買い先行のスタートが予想される。当面は米連邦準備理事会(FRB)による緩和的な金融政策が続くとの見方は香港市場でも支えとなりそうだ。一方で、明日31日に中国の8月製造業・非製造業PMIが発表される予定となっており、足元の中国経済の動向を見極めたいとの様子見ムードはくすぶろう。好決算発表銘柄中心に個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
政策期待が下支えとなろう
27日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比20.4924pt(0.58%)高の3,522.1567ptだった。大手企業の決算発表がピークを迎え、業績を手がかりに大型株に買いが入った。海外投資家の中国株売買が戻ってきているとの見方も買い安心感を誘った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3442億元と前日(1兆3742億元)からやや減ったが、売買代金の1兆元超えは28日連続となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで62億300万元の買い越し。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
30日の中国本土市場は確りの展開か。27日に中国人民銀行(中央銀行)が週間ベースで2月以来の大規模な資金供給を行ったことで、投資家の間では安心感が広がっているよう。当局はまた、小売企業などへの金融支援を拡大するよう求めているとも伝わっており、当面は政策期待が下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)