26日の香港株式市場でハンセン指数は続落した。終値は前日比278.26pt(1.08%)安の25,415.69ptだった。中国の産業統制懸念が根強いなか、この日の中国・上海株式市場の下落が投資家心理を冷やした。27日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に様子見気分も強まり、指数は午後に下げ幅を広げた。ハンセン指数を構成する58銘柄のうち、9割近くに当たる50銘柄が売られた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数の終値は前日比1.88%安の6,337.03ptだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで32億4500万香港ドルの売り越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比192ドル38セント(0.5%)安の35,213ドル12セントで終えた。朝方は高く始まったが、買い一巡後は高値警戒に伴う利益確定売りが次第に優勢となった。アフガニスタン情勢を巡る地政学リスクの高まりも投資家心理の悪化につながった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前日比96.052pt(0.6%)安の14,945.807ptで終えた。
27日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。米連邦準備理事会(FRB)による早期のテーパリング(量的金融緩和の縮小)開始観測から前日の米株式市場が上昇一服。地政学リスクの高まりも投資家心理の重荷になると思われ、香港市場でも売りが先行しよう。ハンセン指数は25,000pt台前半で押し目買いが入るかどうかがポイントになりそうだ。決算発表が本格化する中、決算発表後に株価が大きく変動する例が増えており、決算内容を見極めつつ選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感の掴みづらい動きとなりそうだ
26日の中国・上海株式市場は4営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比38.7194pt(1.09%)安の3,501.6643ptだった。前日におよそ1カ月ぶりの高値を付けていたため、短期的な利益確定目的の売りが先行した。中国当局による規制強化懸念も引き続き投資家心理の重荷となった。引け間際に下げ幅を広げ、心理的節目の3,500ptを下回る場面もあった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆3742億元と、27日連続で1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで12億2800万元の買い越し。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買われ、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売られた。
26日の中国本土市場はもみ合いか。高水準の売買代金が続いており下値は堅いと思われるものの、上値を追う材料も乏しいことから、方向感の掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)