21日の香港株式市場は3営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前週末比312.27pt(1.08%)安の28,489.00ptだった。米国の利上げ前倒し観測から前週末に米株安が進んだ流れを受け、香港市場でも主力株に持ち高調整の売りが出た。21日の日本や台湾など他のアジア株相場が大幅に下げたことも投資家心理を悪化させ、香港株相場の重荷となった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比1.06%安。香港メーンボードの売買代金は前週末比2割減の1573億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億8100万香港ドルの売り越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに大幅反発し、前週末比586ドル89セント(1.8%)高の33,876ドル97セントで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ前倒し観測で前週のダウ平均は週間で今年最大の下げ幅となった。ただ、前週の売りは過剰反応との見方が出たうえ、世界経済の力強い回復が株高を支えるとの期待が改めて広がった。前週に下げがきつかった景気敏感株が幅広く買われた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比111.104pt(0.8%)高の14,141.480ptで終えた。
22日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均など主要株価指数が上昇した流れを受け、香港市場でも買いが先行しよう。昨日ストックコネクトを通じた売り越し額が40億香港ドル超となったテンセント(00700)に自律反発狙いの買いが入るか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か
21日の中国・上海株式相場は小幅に反発した。上海総合指数の終値は前週末比4.0858pt(0.11%)高の3,529.1826ptだった。大型株が売られた半面、新興ハイテク株への買いが相場全体の地合いを支えた。ただ、米利上げ前倒しの観測などを背景に足もとの人民元の対米ドル相場が下落基調にあることから、海外資金の流出懸念は投資家心理の重荷となり、指数は前日終値を挟んでの一進一退が続いた。軍需関連株や鉄鋼株が高かったほか、バッテリーや太陽光パネルなどの環境関連株や物流株が上昇した。一方で、銀行株が安く、セメントや石炭、石油株が下落。酒造株が軟調となり、海運や空運株が売られた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆142億元と前週末から小幅に増え、節目の1兆元を連日で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで20億1000万元の売り越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが売り越しとなった。
22日の中国本土市場は確りの展開か。米国市場の反発など、外部環境の好転は中国本土市場にとっても追い風となろう。期末配当と無償割当増資の権利付き最終売買日を迎える隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)や国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)などの動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)