7日の香港株式相場は小幅に反落した。ハンセン指数の終値は前日比26.81pt(0.09%)安の28,610.65ptだった。良好な中国の経済統計や前日の米株高を背景に、朝方は香港市場でも買いが先行した。ただ午後に入り、中国本土株相場が下落。ストックコネクト取引を通じた本土投資家による香港株売買が売り越しに転じると、徐々に投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。ハイテク株の下げが目立ち、関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比2.23%安だった。香港メーンボードの売買代金は1534億香港ドルと、前日から5%程度減った。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比229ドル23セント(0.7%)高の34,777ドル76セントで終えた。3日連続で過去最高値を更新した。朝方発表の4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回った。米景気への楽観が後退した半面、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化観測が強まり、買いが優勢になった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比119.395pt(0.9%)高の13,752.237ptで終えた。多くの機関投資家が運用の参考とするS&P500種株価指数は3日続伸し、前日比30.98pt(0.7%)高の4,232.60ptとほぼ1週間ぶりに過去最高値で終えた。
10日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。4月の米雇用統計を受け、金融緩和の長期化観測が浮上し前週末7日の米株式相場が上昇した流れを引き継ごう。また、中国政府が国内企業の海外上場規制を強化するとの報道を中国当局(中国証券監督管理委員会、CSRC)が正式に否定したこともプラス材料となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
小確りの展開か。海外投資家の売買動向に注目が集まろう
7日の中国・上海株式相場は3日続落した。上海総合指数の終値は前日比22.4085pt(0.65%)安の3,418.8741ptと、4月15日以来およそ3週間ぶりの安値を付けた。朝方は足元の中国国内経済の堅調さを好感する買いで上げる場面もあったが、連休の谷間で休みを取っている投資家もいるなか市場エネルギーが低く、勢いが続かなかった。前日に引き続き、医薬などバイオ関連や消費株に売りが出て、指数の足を引っ張った。医薬品関連に米国の新型コロナワクチン特許権の一時放棄方針を嫌気する売りが続いた。自動車株や食品株など消費関連も引き続き売られた。もっとも、午前に発表の貿易統計など4月の一部経済指標の改善は投資家心理を支えた。銀行株や製紙株、メディア関連などが買われた。商品相場の先高観も根強く、資源・素材株は軒並み高。上海・深圳両市場を合わせた売買代金は8838億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで3億8000万元の買い越し。個別では、 京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、歌爾(ゴーテック、002241)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが買い越しとなり、美的集団(ミデア・グループ、000333)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
10日の中国本土市場は小確りの展開か。米国の金融緩和長期化観測は、中国市場でもハイテク株の下支え材料となろう。ストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)