10日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前週末比14.99pt(0.05%)安の28,595.66ptだった。前週末7日の米株式市場の上昇を受けて高く始まったが、ネット大手株の下落で次第に投資家心理が悪化。売りが優勢となり、指数は下落に転じた。午後は小幅安で推移した。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1635億香港ドルと前週末から7%増え、およそ3週間ぶりの多さになった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで64億6800万香港ドルの売り越しだった。
10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前週末比34ドル94セント(0.1%)安の34,742ドル82セントで終えた。新型コロナワクチンの普及による景気回復への期待から買いが先行し、一時は300ドルあまり上昇した。ただ、主力ハイテク株への売りが止まらず相場は午後に伸び悩み、ダウ平均は取引終了間際に下げに転じた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比350.379pt(2.5%)安の13,401.858で終えた。
11日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。米長期金利の上昇を受けて10日の米株式市場でハイテク株が大幅安となった流れで香港市場でも売りが先行しよう。中国国家統計局は本日、4月中に主要データを公表する計画だったがずれこんでいた2020年実施の国勢調査を発表する予定。中国では一人っ子政策のツケで少子高齢化が急速に進んでおり、最新の人口動態をもとに少子高齢化への対策を急ぐ方針が伝わっている。関連銘柄に注目が集まる場面も想定しておきたい。経済指標では、4月の中国物価統計の発表が予定されている。
(マーケット支援部 井上)
4月の物価統計を受け神経質な展開か
10日の中国・上海株式相場は4営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前週末比9.1168pt(0.26%)高の3,427.9909ptだった。商品相場の先高観などを背景に、素材関連などの景気敏感株が買われた。人民元高や香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家による中国株買いなど、海外資金の流入期待も相場を下支えした。深セン株式市場の総合指数は前日比0.18%高、新興企業が主体の創業板指数は同0.38%高となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で8549億元と、前週末から約3%減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで45億2700万元の買い越し。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
11日の中国本土市場は神経質な展開か。昨日は経済活動の再開を背景にした金属や原油、穀物など商品市況高を受け、景気敏感株に買いが先行したものの、インフレ高進も警戒材料として意識されたようだ。本日は、日本時間10時半に4月の中国物価統計が発表される予定。市場では消費者物価指数(CPI)が前年比1.0%上昇(前月実績は同0.4%上昇)、生産者物価指数(PPI)が同6.5%上昇(同4.4%上昇)と予想されている。内容によっては神経質な動きとなることも想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)