6日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比219.48pt(0.77%)高の28,637.46ptだった。5日の米株式市場の上昇に続き、6日の日本や台湾株市場も堅調で投資家がリスクを取る姿勢を強めた。香港でも金融、石油などの主力株に資金が向かった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は反発し前日比0.4%高だった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前日比約6割増の1610億香港ドルと、中国本土の連休が明け売買増につながった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで3億7600万香港ドルの売り越しだった。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、終値は前日比318ドル19セント(0.9%)高の34,548ドル53セントと、連日で過去最高値を更新した。朝方発表の米新規失業保険申請件数が市場予想より少なく、雇用回復の期待が高まり、金融や素材など景気敏感株を中心に買われた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比50.417pt(0.4%)高の13,632.842ptで終えた。
7日の香港市場でハンセン指数は一進一退の展開を想定。前日の米株高が支えとなるものの、対外経済関係の不透明感が上値を抑えそうだ。中国国家発展改革委員会は6日、オーストラリアとの戦略経済対話に基づく一切の活動を無期限停止すると発表した。今回の「無期限停止」措置は、中国が豪州をけん制する象徴的な意味合いが強いようで、現時点では大きな悪材料にならないと思われるものの、欧州連合(EU)による中国への対応を念頭においた企業買収規制強化の動きも伝わっており、対外経済関係の不透明要因として捉えられそうだ。経済指標では、日本時間10時45分に4月財新中国サービス業PMIが発表されるほか同貿易統計も発表される予定。海外では4月の米雇用統計が発表される予定となっている。
(マーケット支援部 井上)
様子見ムードの強い展開か
休場明け6日の中国・上海株式相場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前営業日の4月30日と比べ5.5738pt(0.16%)安の3,441.2826ptだった。連休中の国内消費活動が活況だったと伝わったが、観光関連株などを中心に材料出尽くしとみた売りが出た。朝方は買いが目立っていた海外投資家による中国株売買(ストックコネクト・ノースバウンド取引)が、午後には売り越しに転じる場面もあった。免税店などの旅行関連や酒造、食品関連株の下げが目立ったほか、保険や家電、畜産関連株が下落した。バイデン米政権が新型コロナウイルスワクチンの特許権の一時放棄を支持すると表明したことを受け、医薬品株に連想売りが広がった。半面、商品相場の上昇や世界景気の回復観測を背景に景気敏感株が買われ、相場を下支えした。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億8400万元の買い越し。個別では、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
7日の中国本土市場は様子見ムードの強い展開か。本日の貿易統計、来週以降に物価統計など4月の主要経済指標の発表が予定されていることもあり、内容を見極めたいといった気分が広がりそうだ。
(マーケット支援部 井上)